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海外の洗濯表示が付いた衣類の取り扱い方|最新版
Vol.37

海外の洗濯表示が付いた衣類の取り扱い方|最新版

皆さんは洗濯表示が新しいものになっている事はご存知でしょうか?

洗濯表示は2016年12月より、世界規格のアイコンに変更になりました。

日本規格の洗濯表示に慣れていると戸惑う方もいらっしゃるかと思いますので、

この記事では新しくなった洗濯表示を解説いたします。

なぜ洗濯表示が変わったのか

もともと日本では独自の洗濯習慣に合わせて、JIS規格に基づく洗濯表示の基準を設けていました。

しかし近年は流通が拡大し、インターネットを通じて個人でも直接海外の衣料品を簡単に入手できるようになりました。

これまで洗濯表示はその国独自の文化や洗濯習慣に合わせて付け替えられていたのですが、

上記のような背景から国内外で洗濯表示を統一させようという動きが起こりました。

その為に2016年12月からは国際規格(ISO)に合わせた新しいJISが制定され、洗濯表示の統合が行われたのです。

今までの表示が変わった事で戸惑う部分も多いかもしれませんが、おかげで海外の洋服でも迷うことなく選択ができるようになっており、実際には非常に便利になっているのです。

表示だけじゃなく品質試験自体も変わっている

注意したいのは変わったのが表示だけでなく「品質試験方法」そのものも変わっているという点です。

アイコンが似ているからだいたい一緒じゃない?と思って洗濯をすると、大事な洋服が傷んでしまう可能性もありますので、新しい表示は一から覚えなおす方が無難でしょう。

世界共通!新しい洗濯表示の取り扱い方


2016年12月に新しくなった洗濯表示は今までのJIS規格のものと違い、

5つの基本的な記号+洗濯における注意点の記号の組み合わせで洗濯方法を示すシンプルな作りになっています。

まずは上記のような記号がある事をご確認ください。

それではそれぞれの意味を確認していきましょう。

新しい洗濯処理のアイコン

これまでの洗濯表示では

・洗濯機マーク

・桶マーク

の2つがありましたが、桶マークだけのシンプルな形に統一されました。

この桶マークと数字(水温)、強さを表す横線で内容を表しています。

例えば上記のアイコンであれば洗濯液の音頭は40℃、横棒が1本なので通常よりも弱い洗い方で洗濯するという形です。

また、今まで手洗いのものに関しては「手洗イ」の表記がありましたが、こちらは桶に手を入れているアイコンに変更になりました。

 

漂白処理

これまで三角フラスコのような形でしたが、新しい表示では三角形に統一されています。

また、旧表示ではエンソサラシの文字が示す通り、洗濯時に「塩素系漂白剤が使えるかどうか」しかわかりませんでしたが、新しい表示では「酸素系漂白剤が使えるかどうか」もアイコンで示されるようになり非常に便利になりました。

上図のように

・三角形だけ    → 塩素系・酸素系どちらも使用可

・三角形に斜線   → 酸素系漂白剤のみ使用可

・三角形に✕マーク → 漂白剤の使用不可

となっていますので、洗濯の際には間違えないように注意しましょう。

乾燥処理

これまでは干された洋服の形でしたが、四角に記号が組み合わさっているアイコンに変更されました。

自然乾燥

視覚的に分かりづらくなっているという意見もありますが、

・縦線 → 吊り干し

・横線 → 平干し

となっており、1本線の場合は「脱水後の乾燥」を、2本線の場合は「濡れた状態(脱水無し)からの乾燥」を表しています。

また、斜線が入っているものは日陰干しのアイコンとなりますので間違わないように注意しましょう。

乾燥機の使用

四角と丸の組み合わさったマークはタンブル乾燥の可否についての表示です。

丸の中の点の数でタンブル乾燥の際の温度が低温のみか通常通り行えるかを表しています。

また、これまでは手絞りに関するアイコンがありましたが、新洗濯表示では廃止されており、衣類によって別途「弱く絞る」などの付記用語が追記されるようになっています。

アイロン処理

アイロンのかけ方に関しては見た目は今までの洗濯表示と大きな違いはありません。

これまで「低・中・高」で表されていたアイロンの温度がそのまま点の数に置き換わった形です。

ただし細かい変更点として、これまでアイロンの温度設定は

低 → 120℃を限度

中 → 160℃を限度

高 → 210℃を限度

となっていましたが、新洗濯表示からは

点1つ → 110℃を限度

点2つ → 150℃を限度

点3つ → 200℃を限度

と10℃低くなっていますので、アイロンの温度設定には注意してください。

また、これまでは「あて布使用」に関するマークが存在していましたが、こちらは廃止され必要に応じて「あて布使用」という付記用語が追加される形になっています。

クリーニング処理

これまでの洗濯表示では丸の中の波形に加えて「ドライ」「セキユ系」という風に、ドライクリーニングができるかどうかだけの表示でしたが、新表示では丸にアルファベットという形でドライクリーニング、ウェットクリーニングの可否が示される形に変更されました。

使う溶剤や方法によって

P → パークロロエチレンと石油系溶剤の使用可

F → 石油系溶剤のみ使用可

W → ウェットクリーニング

と分かれています。

ここに横線を加えることでクリーニング時に行える内容が決まります。

まとめ

新しい洗濯表示についてまとめましたが、一度ですべて覚えるのは難しいかと思います。

しかし、法則さえわかってしまえば今までの洗濯表示よりも細かく分かりやすくなっています。

これからは今までと違った洗濯表示がついた衣類を手に取る機会も増えてくるかと思います。

ただしい知識を身につけて大事な洋服を長く着られるようにしていきましょう。